「叱る」「褒める」で親子関係はどう変わる?【後編】プラスの言葉で子どもは強くなる

子育て
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「叱る」「褒める」で親子関係はどう変わる?【前編】では、主に「叱る」ことについて述べさせていただきました。後編では、「褒める」にスポットを当てたいと思います。褒めることは、子どもにとってどんな意味があるのか?子どもはどう変わっていくのか?親子関係における「褒める」ことの重要性を考えていきます。

子どもにとっては「褒められる」=「認められる」こと

 

「すごいね!」「よく頑張ったね!」褒められた時の子どもの顔を思い返してみてください。満面の笑み?少し照れくさそう?

子どもにとって「褒められる」ことは自分を「認められる」ことと同じです。

褒められ続けることで、自己肯定感もアップします。自己肯定感がアップすることで自信がつき、様々なことにチャレンジする意欲が沸く、というようにプラスのサイクルもどんどん回ります。

「自分は価値のある人間なんだ」と、子ども自身が思える事。自分に価値があると知っている人は、自分を大切にできる。そして、相手にも同じように価値があると知っているため、相手も大切にできる。人生にこれ以上の大切なことはないのでは、とさえ感じます。

子どもの自殺やいじめの問題など、目を覆いたくなるニュースが連日報じられていますね。子どもたちの世界から悲しいニュースが少しでも減るように親である私たちができることは、子どもの「自己肯定感」を育ててあげることなのではないでしょうか。

「褒める」を習慣化する

 

前回ご紹介した「暮らしのおヘソ」に掲載されていた親野智可等さんの記事では、「褒める」ことについても述べられています。

「褒める」ことが良いことだと分かっていても、毎日褒め続けるのは難しいもの。

そこで、「褒める」を習慣化するために、「リマインダー」をセットするという斬新なアイディアがありました。そう、携帯のリマインダーやアラームです。

忙しいであろう時間、子どもに小言のひとつやふたつ言ってしまっているであろう時間、もしくは1日の終わり、布団に入る時間・・・・リマインダーで「ほめる!」と鳴る。「しまった!ほめる時間だ!」想像したら何だか笑えました。

褒めるポイントは「上手にできたら褒める」のではなく、「褒める部分を見つけ出す」こと。「字が汚いな」と感じても、その中で上手に書けている字を見つけて褒める。部屋の片付けが中途半端でも、「片付けよう」と思って動き出したことを褒める。

「褒めるところを探す」意識は、自然と子どもの良いところに目を向ける習慣になります。ついつい、出来ない事や悪いところに目が行きがちな毎日。この意識を持つだけで、子どもとの向き合い方も変わりそうです。

プラスの言葉は人を動かす

「やってみせ 言って聞かせてさせてみて ほめてやらねば人は動かじ」
「話し合い 耳を傾け承認し 任せてやらねば人は育たず」

山本五十六の言葉です。

言わずと知れた元海軍大将で、ハワイ真珠湾作戦を指揮した山本五十六は人心掌握に長けていたとして、数々の名言を残しています。人を動かすことに優れていた人は、「褒めること」「認めて任せること」の重要さを知っていました。

子どもに実際やらせてみて、褒める。
子どもの話に耳を傾け、認めてあげる。

シンプルなようで、毎日の生活に取り入れるには実は難しい。それでも、この言葉には子育てに大切なことが詰まっていると感じました。

もうひとつ、「心の中の幸福のバケツ」という本に、こんな一節があります。

 

 

『人は誰でも心にバケツをもっている。
他人に何かを言われたりされたりするたびに、このバケツの水は増えたり減ったりする。
そしてバケツのほかに、ひしゃくも持っている。
心のバケツに水が一滴注がれるたびに、人は強くなり楽観的になる。
自分とかかわる人の心のバケツに水を注ぐのか、それとも水をくみ出すのか。』

 

相手のバケツに水を注ぐと、自分のバケツにも水が注がれる。同じように、相手の水をくみ出せば自分の水も減っていく。そして、これには「魔法の比率=ネガティブ:ポジティブ=1:5の法則」があるそうです。

パートナーや子どもに対して、ネガティブなことを1回してしまったら(言ってしまったら)、ポジティブな言動を5回意識する。1回水をくみ出してしまったら、5回注いであげる。すると、相手のバケツも自分のバケツも常に水で満たされた状態でいられる。

プラスの言葉が動かすものは他人だけではありません。自分もまた、自分が発したプラスの言葉に影響を受けていくのではないでしょうか。

 

親と子の関係は一生モノである

 

自分が子どもを産んで親になったとしても、自分が親にとって娘であることは変わりません。自分を取り巻く人間関係で最も長く続くものが、「親子関係」ではないでしょうか。

特に幼少期、まだ自分の世界は広くない。親子関係以外にも、外には広い世界があることをまだ子どもたちは知りません。「親子関係が全て」という狭い世界。
子どもたちが親から受ける影響は、私たちが想像しているよりはるかに大きなものです。「自分が価値のある人間かどうか」は、親に認められるかどうか、という物差しになってきます。

「自分の考えに自信を持って、堂々と表現できる人になってほしい」
「どんな時でも相手のことを考えられる人であってほしい」

息子たちが産まれたときに私が願ったことです。

「自分が価値のある人間だ」と自信を持って、強く生きて欲しい。

叱ることも、厳しくなってしまうことも、子どもを想う気持ちがあってこそ。
でも、子どもへのメッセージを表現する方法はそれだけではありません。

子どもを想って「叱る」のではなく、子どものために「褒める」子育てを。プラスの言葉で子どもは自信を持ち、自分の人生を力強く歩いていけることでしょう。

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